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Q7:夏に流行する手、足、口や体に発疹を伴う病気が神経の病気を合併することがあると聞きますがどのような病気なのですか?

A:手足口病は初夏〜秋に流行し、幼少期に罹る病気です。最近は異常気象のせいか冬にお目にかかることもあります。手足口病はエンテロウイルスに属するコクサッキーA、エコーやエンテロ71型ウイルスでおこります。ウイルスは腸管で増殖し、発熱、下痢や嘔吐をおこします。糞便への接触やくしゃみの際の飛沫で他の人に感染します。仲間のウイルスの代表はポリオ(エンテロ1〜3)です。患者の下痢便が河川に流れ、この水を下流で飲用した場合に同疾患が大発生します。ポリオは腸管だけでなく脊髄の神経細胞にも侵入し、永続的な手足の麻痺を引き起こします。発展途上の国では現在でもこの病気のため一生手足が動かなくなってしまう乳幼児が多くいます。よってポリオの予防接種を海外へ送ろうとする運動が国内外で行われています。日本では上下水道が良く完備され、予防接種も実施されているので野生株のポリオ発症はありません。手足口病はポリオの神経合併症を弱くしたような症状をおこすことがあります。これらは熱性けいれん、無菌性髄膜炎、脳幹脳炎、脊髄前核細胞炎、ギラン・バレー症候群等です。発熱している時やその後に不機嫌や嘔吐が続いたり、意識状態の変容や手足の動きが悪くなる時は医療機関を早期に受診しましょう。手足口病自体は自然治癒する予後良好な病気で、上記のような神経合併症が発症しても永続的な障害を残すことはまずありません。しかし母親からの移行抗体が十分でない乳児、免疫不全状態の方が罹患した場合や病原性の強いエンテロ71型ウイルスが感染した場合は重篤化することがあります。予防のためには食事の前には必ず手洗いし、入浴の際にはお尻をきちんと洗って湯船につかる様に指導してください。罹患すればウイルスは飛沫で1週間、症状が無くても糞便には数週間持続排泄されます。手足口病に罹患した場合の特別な治療法はありませんので予防が第一です。

(産業医科大学小児科 下野 昌幸)


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