日本小児神経学会
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Q42 : 6歳男児です。寝る前に歩き回り眠れないことがあります。いろいろ調べて、むずむず脚症候群という病気を知りました。むずむず脚症候群や他の不眠症、睡眠関連の症状について教えてください。

A 眠りたいのに眠れない状態を引き起こす一因に、レストレスレッグズ症候群(むずむず脚症候群または下肢静止不能症候群)があります。
 患者さんは手足、主に足に、何とも言えない不快を感じ、じっとしているとひどくなるので、症状を抑えるために異常感覚部位をこすり合わせたり、たたいたり、あるいは歩き回ったりします。通常高齢者に多いですが小児でも報告されています。
 症状を上手く言えない小さいお子さんや障害のある児では、養育者が、「子どもが騒いで寝つかない」と訴える場合があります。自閉症のお子さんがしきりにひざ下を指さしたり、叩いたりしているビデオを見て、この疾患を疑ったことがあります。原因はよくわかっていませんが、様々な要因が考えられます。ご両親や親せきの方に同様の経験をしている方がいらっしゃる場合があり遺伝的要因が強いこと、「成長痛」との関連も検討されていること、血液中の鉄分が足りない場合が報告されています。後者では鉄分を補うことで症状が改善します。最近保険収載されたお薬もありますが、就床前、発作時のマッサージのほか、規則正しい生活習慣が非常に大切です。

 小児の行動性不眠症、という疾患群があります。しつけ不足型と入眠時関連型の二つのタイプに分けられていますが、どちらも眠りたがらない状態です。しつけ不足型の診断基準には「養育者のしつけが不適切なために就床時にぐずったり、その時刻に眠ることをいやがったりする」、「養育者に強制されればすぐ眠る」とあります。一方入眠時関連型の特徴は、子どもが就床時に特定の刺激、物体、あるいは環境を求めることです。ただしこれでは「入眠儀式」を必要とするお子さん皆に「病名」が付いてしまいます。

「入眠儀式」とは「寝るまでの段取り」あるいは「寝る準備」です。以前行ったアンケートでは、お子さんの寝つきに大切なこととして、指しゃぶり、哺乳瓶、おしゃぶり、特定のタオル、ぬいぐるみ、本を読むことなどが挙げられていました。方法や手順は、人それぞれですが、実際入眠儀式を取り入れることで、赤ちゃんが夜、よく寝るようになったことも報告されています。例えば、大好きなお人形をお人形さん用のベッドにきちんと寝かせつけて、おやすみを言います。次にお気に入りのぬいぐるみをふとんにいれ、お子さんはその横に入ります。おふとんをかけてもらい、肩のところをお母さんがトントンとします。お母さんと手をつないでとせがむお子さんもいるでしょうし、隣に横になったお母さんに大好きな絵本を読んでもらうことをせがむお子さんもいるでしょう。3−4歳頃までのお子さんに毎晩ごく普通に見られる光景です。

 いかにも眠れていなそうなのに実は眠っている、睡眠関連律動性運動異常症という疾患では、眠っている最中に頭を前後方向へ激しく振ったり─頭打ち型−、仰向けで頭を左右に振ったり─頭左右回転型−、手あるいは膝で四つ這いの姿勢をとって身体を前後に振ったり─躯幹前後振り型−、仰向けで身体を左右に回転させたり─躯幹左右回転型−、上記の様な様々な動きが2秒に1回から1秒に2回のペースで数分間、一晩に何回も繰り返します。
 患者さんの大多数は健常な赤ちゃんで、「眠くなると頭を振る」も含めると9か月の赤ちゃんの7割近くに認める、ともいわれています。この割合はその後自然に減るので、家族に説明して安心していただくこと、そして睡眠する場の安全性に配慮することが大切です。特に頭打ち型の場合や精神遅滞を伴う場合にはベッド周囲へのパットの設置やヘッドギアが必要な例もあります。
 基本的には薬物による治療効果は不十分です。

(東京ベイ・浦安市川医療センター 神山 潤)


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