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Q40 :自閉症について

 2歳11月になる息子は、発達健診で自閉症に入るかどうかの境界域と言われ、地域の療育の親子教室に通っています。心理士の先生からは、自閉傾向で、発達は1年くらい遅れているといわれました。併発症状も含めて自閉症の診断・症状、子どもの育て方や療育について教えてください。

A:自閉症を診断するときの大きな目安として三つのポイントがあります。一つ目は、人とのかかわりを持つことが苦手なこと。二つ目は、言葉の発達に遅れやかたよりがあること、三つ目は、活動や興味の範囲が狭いとか、特定の物にこだわってしまうことです。
 そのほかによく見られる特性としては、表情や人の気持ちを読むのが苦手、あいまいな表現がよくわからない、突然の予定の変更に戸惑いやすい、急にパニックやかんしゃくを起こす、特定の音や光に敏感だったり逆に鈍感だったりします。
自閉症は、発達障害の中の「広汎性発達障害」という分類に入ります。自閉症の方には知的障害を伴う人も、伴わない人もいます。お子さんの場合、「自閉傾向がある」といわれているようですので、上記の自閉症の3つのポイントのいくつかの症状が認められるのでしょう。また、「発達が1年遅れている」というのは軽度の知的障害があるのかもしれません。

 自閉症は、学習障害やAD/HD(注意欠陥/多動性障害)、知的障害などの発達障害をあわせもつ、あるいは知的障害がなく言葉の遅れもない自閉症であるアスペルガー症候群との境界がはっきりしない連続したものと広くとらえて、最近では「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれるようになってきています。

自閉症の子どもの育て方ですが、その子がもっている特性をよく理解した上で、できることを一つ一つ増やしながら、自立していけるようにサポートしていきます。特性を消すことはできないですが、その子のもっている能力を伸ばして社会に適応できるように時間をかけて取り組みます。これを、「療育」(「治療教育」の略)と呼んでいます。
 自閉症の子どもたちの多くは、地域で療育を受けています。どこで療育が受けられるか、役所や発達障害支援センターで相談されると良いでしょう。施設で療育を受けながら、家庭でのお子さんへの接し方、育て方も学ぶことができます。
 「自閉症が治ります」というキャッチフレーズを掲げた薬・食品や治療器具には飛びつかないほうが良いでしょう。科学的に効果が証明されているとは限りません。自閉症の子どもは、睡眠障害やかんしゃく、自傷で困ることもあります。その場合はお薬が助けになることもありますので、小児神経科医や児童精神科医にご相談ください。

(久留米大学医学部小児科 山下裕史朗)


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