日本小児神経学会
English サイトマップ
関連リンク集
入会手続きはこちら
このホームページについて

Q36:てんかんの食事療法(ケトン食療法)について。

1)てんかんで抗てんかん薬を内服していますがよくなりません。食事療法を勧められましたがどのような食事療法がありますか?

 もっとも代表的な食事療法はケトン食療法です。日本ではあまり普及していませんが欧米や韓国では難治性てんかんの治療法の一つとして確立しています。ケトン食療法は糖・炭水化物を減らし脂肪を増やした食事で、脂肪が分解されてケトン体が体内で作られ効果を発揮します。お米、パン、パスタなどはできるだけ食べないようにして、砂糖の代わりに人工甘味料を使用し、卵、豆腐、肉、魚主体の食事に食用油を添加し、食事中の脂肪:(糖+炭水化物+タンパク質)の比率(ケトン指数)を 3〜4:1にします。医師を通じて入手できる特殊ミルク(ケトンフォーミュラ)はいろいろな料理にも利用できます。効果を高めるためにカロリーや水分を7〜8割に制限する場合があります。タンパク質を制限しないで糖・炭水化物を10〜15g/日までにして脂肪を多めに摂取する修正アトキンス食も有効性が報告されています。いずれもバランスの偏った食事なので医師と栄養士の指導が必要です。

2)食事療法はどのようなてんかんに有効ですか?

 主に小児を対象としており、有効率が高いのは点頭てんかん(ウエスト症候群)とミオクロニー失立発作てんかんですが、あらゆる発作型に効く可能性があります。グルコーストランスポーター1異常症という病気ではてんかん発作に加えてふらつきなどの神経症状も改善します。半分の患者さんで発作が半分以下になるという報告が多いです。手術で治る可能性のある場合は手術が優先され、脂肪酸代謝異常などの病気がある場合には食事療法ができないので、適応については担当医に相談しましょう。

3)ケトン食はいつまで続ける必要がありますか?

 効果を確認するのに最低1ヵ月は続けます。効果と副作用を秤にかけて、続けたほうがいいと考えた場合には微調整しながら2年程度続けるのが一般的です。中止する際には段階的に食事制限を緩めます。その過程で発作の悪化が見られる場合は長期に食事療法を続けることもあります。

4)ケトン食の副作用はありますか?

 元気がなくなったり、嘔吐、下痢、便秘がしばしばみられます。開始後2週間は低血糖に備えて血糖測定が必要です。長期的には低身長、体重増加不良、腎結石に加えて、微量元素欠乏による心不全なども稀に報告されていますので、専門医による定期診察・検査が必要です。総合ビタミン、ビタミンC,カルニチン、微量元素をサプリとして使用する場合があります。

5)ケトン食についてもっと詳しい情報はありますか?

 Charlie Foundation(アメリカ)、Matthews Friends(イギリス)などの団体がインターネットで情報公開しており、日本でもケトン食普及会(http://www2.ocn.ne.jp/~ketodiet/)がインターネットによる情報提供に加えて各種相談に応じています。

(国立病院機構 静岡てんかん・神経医療センター小児科 今井克美)


理事長からのご挨拶
賞に神経科医が主に専門としている病気について
小児神経科医のいる施設
小児神経Q&Aコーナー

PDFファイル閲覧ソフトAdobe Reader(無料)はこちらからダウンロードできます。

Copyright @ 2005 日本小児神経学会 Japanese Society of Child Neurology