日本小児神経学会
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Q35: 6歳の子どもがよく頭痛を訴え、ひどい時は嘔吐します。子どもの頭痛と治療について教えてください。 ストレスは関係ありますか。検査は必要でしょうか。

A: かぜ症状もないのに頭痛を訴えることは幼児期からあります。頭痛は本人しか分からない症状なので、診断にはどの年齢でも問診が中心になります。外来で一番多いのは子どもも片頭痛です。片頭痛は特定の家族に多い病気で、特に母親が片頭痛をもつことが多く、子どもの頭痛の診断の参考になります。片頭痛では、見ようとするところがぼやけて回りがきらきらするなどの目の症状や感覚の異常が頭痛の前に起こることがあります。子どもの片頭痛は、前頭側頭部であれば両側でもよく、頭痛の持続時間は1〜72時間(大人は4〜72時間)です。ズキンズキンする脈打つような痛みで、嘔吐や吐き気、光、音、臭いに敏感になることがあります。テレビはいやがり、暗い静かな部屋で寝たがる子が多いです。

 片頭痛が発作性の強い頭痛であるのに対し、緊張型頭痛は強くはありませんがだらだら続く、締め付けられるような頭痛です。思春期ほど多くはないのですが、年少児もストレスがかかると慢性的に緊張型頭痛を訴えることがあります。  
 片頭痛も緊張型頭痛も、子どもに勧められるのはまず薬によらない治療です。早寝早起きは頭痛の予防に有効で、睡眠時間を1時間多くしたことで頭痛が改善する子もいます。子どもの生活を見直し、おけいこ事などを整理して、生活をシンプルにするのも一案です。片頭痛の場合、睡眠時間以外に食物や光などの頭痛の誘因(きっかけ)を除くことも大切です。席を窓側から廊下側に移動したら片頭痛発作が減った子もいました。子どもの頭痛で薬が必要な場合、まず解熱鎮痛薬(イブプロフェン、アセトアミノフェン)が使われます。頭痛が始まってすぐに飲むと効きがよいので、学校に1回分持たせ、先生に頼んでおくとよいでしょう。

 頭部CTやMRIが必要な緊急性のある頭痛は、歩く時ふらつく、手足が動かしづらい、毎日のように頭痛と嘔吐がある、症状が進行している時などです。頭痛の原因として副鼻腔炎などの炎症やまれながら高血圧もあるので、血液検査や血圧測定も必要です。耳鼻咽喉科のほか、眼科や歯科の病気による頭痛もあります。年少児には片頭痛と類似したてんかんに関連した頭痛があり、脳波検査が必要なこともあります。
 一方、毎日続く強い頭痛のため登校できない思春期の子どもは、頭痛が月に15日以上ある慢性連日性頭痛になっています。年少から片頭痛を経験している子が、思春期に入って強いストレスにさらされると頭痛が慢性化することはよく経験します。この心理社会的要因の関与した頭痛は鎮痛薬などが効きにくく難治で、カウンセリングや抗不安薬などが必要なこともあります。頭痛がSOSのサインのこともあるので、ふだんから子どもの性格や感じ方に気を配ることが、心の問題からくる頭痛の早期の対応につながります。       

 (筑波学園病院小児科、東京クリニック小児・思春期頭痛外来 藤田光江)


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