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Q34:筋ジストロフィーの患者登録制度、治験の現状について教えてください。

A:筋ジストロフィー患者登録制度(REMUDY: http://www.remudy.jp/)は全国的組織である筋ジストロフィー研究班によって作成されたものです。患者さんそれぞれの診断名、現在の状態、治療内容、遺伝子診断の結果などを、主治医の協力のもと患者さん自身で登録していただきます。現在までのところデュシェンヌ型筋ジストロフィーとベッカー型筋ジストロフィーを持つ患者さんを対象としていますが、今後疾患の種類は増えていくと思います。患者登録制度は、近いうちにはじまるであろう筋ジストロフィーの治験を日本でも効率よく行い、より早く新しい治療法を患者さんのもとに届けることを主な目的としています。患者さん・家族と研究者や製薬会社との架け橋になる、具体的には、登録している患者さんと家族に対し、対象となる治験が開始されるときに、情報提供を行うことを想定しています。また、治験を計画している研究者や製薬会社に、日本の筋ジストロフィー患者さんの数やどのような患者さんがいるのかという現状を伝えることで、日本での治験を促進する役割も担います。2010年末までで、600名を超える患者さんに登録をしていただき、現在も登録数は増えています、より多くの患者さんに登録していただくことは日本に治験を導入するために大きなアピールポイントとなりますので、この登録制度を積極的にご活用いただきたいと思っています。ただし、登録しているからといって治験に参加する義務はなく、また治験の参加を保障するものではないという点にはご留意ください。

基礎研究の進歩により筋ジストロフィーの治験はいよいよ実現間近な段階になってきました。遺伝子そのものを治すiPS細胞などの万能細胞を用いた根本的な治療の治験はまだ基礎研究レベルの進歩が必要な段階で、もうしばらく先になると思われます。しかしながら、進行を遅らせることが期待できる薬剤の治験はまもなく開始されるみこみです。例えばデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するエクソンスキップ療法は、特定の遺伝子変異を持つ患者さんに限定されてしまうのですが、現在最も期待されている治療法の一つです。REMUDYのホームページの中にも治験に関する情報がありますので参考になさってください。

その一方で筋ジストロフィーの医療は長年の蓄積があります。現在行うことのできる、治療、ケアを診断時から継続して受けていくことが将来の運動機能やQOL(生活の質)、ひいては寿命に大きく影響してきます。治らない病気だからといって決してあきらめることなく適切な医療を受け、新しい治療法の開発までお待ちいただきたいと思います。状況によっては筋ジストロフィーを専門に診ている医師などに一度相談されてみてもよいかと思います。

(国立精神・神経医療研究センター病院小児神経科 小牧宏文)


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