日本小児神経学会
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Q27: 小学生の息子ですが、やんちゃなため、この前転んで地面で頭を打って、大きなたんこぶを作りました。病院では大丈夫といわれましたが、なにか後遺症がのこらないか心配です。

A: 頭をぶつけた後に、元気がない、頭痛がする、むかつきが出たり、繰り返し嘔吐する症状があればX線撮影やCTなどの検査を行います。このような症状がなくても、高いところから転落するなど頭を強く打撲しているのであれば、念のために検査をすることがあります。
 大きなたんこぶをつくった皮膚の部分が硬く残ることがありますが、この検査で頭の骨の骨折、頭の骨の中の内出血、脳の傷などの問題がなければ、後になって新たに脳の症状が出て来ることはまずありません。しかし、ケガのあと何日も経ってから頭の中で出血が進む場合もまれにありますので、頭をぶつけた後1,2週間は頭痛、めまい、嘔気、嘔吐、元気がない、などの症状が見られないかどうか、ご家族に注意してもらうように説明します。頭をぶつけた後に、意識が一時的になかった、ケガのことやケガの前のことを覚えていない、けいれんが起こったなどの症状があれば脳への影響があるかもしれませんので、検査に異常がなくともより長い期間経過を見たほうがよいでしょう。
 頭の骨に骨折がみつかっても、ケガの後1,2週間で神経の症状を認めなければ後遺症が新たに出る可能性は非常に少なくなり、3ヵ月ほどすれば骨がくっついて治ります。しかし、1,2歳の赤ちゃんの場合は、数週間してから骨折した部分が広がり、その部分の皮膚が腫れて膨隆してくることがまれにあります。進行性(拡大性)頭蓋骨折という病気ですので脳神経外科にかかってください。
 頭をぶつけて何週間か経ってから頭痛、めまい、元気がない、寝られない、朝に起きられない、学校の成績が極端に落ちる、手足がしびれるなどの症状があれば、できれば最初にかかった病院に受診し、ケガの直後の状態と比較して必要な検査をし、頭のケガと関連があるかどうかを調べます。立ち上がると頭痛やめまいが起こり、横になれば症状が改善する場合は、脳の周りを満たす髄液が、ケガによってもれてしまう低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)が考えられます。これにより集中力や記憶力の低下を来すこともあります。MRIなどの検査をしても症状に見合うだけの変化が認められない場合は、症状を軽くするお薬を出したりして経過を観察し、ほかに治療すべき病気が隠されていないかを調べていきます。
ケガの後、後頭部や頸の後ろの部分が痛む場合や頸を動かして痛みが悪化する場合は、頸の捻挫も起こしていると考えられますので、無理に頸を曲げ伸ばしはせず、診察を受けるのがよいでしょう。また、頭をぶつけた後に、頸をまっすぐできず傾げた状態になり、もどそうとすると頸の痛みが非常に強くなる場合は、頸の骨の一部がずれている可能性がありますので、痛くないような頸の位置にして診察を受けてください。

(大阪市立総合医療センター小児医療センター 小児脳神経外科 坂本博昭)


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