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Q22:生後10カ月の男の子ですが、過去に3回大泣きしたあと、顔が真っ青となり、ぐったりして気絶したことがあります。医者からは「泣き入りひきつけ」と言われていますが不安です。どのようなものでしょうか?

A:
●どんな病気?
乳幼児が大泣きした後、呼気(息をはいた)状態のまま、呼吸停止し、顔色不良、意識喪失し、全身の脱力(ぐったりする)やけいれんなどを起こす病態を「泣き入りけいれん(憤怒けいれん)」といいます。頻度は、生後6カ月から2〜3歳ぐらいまでの4〜5%にみられ、比較的多い疾患です。一般的に脳波や画像検査に異常なく、年齢的成長発達に伴って自然に消失して行く予後が良い疾患です。
● 原因は?
さまざまな原因により、強く泣くことで無呼吸となり、脳が一過性無酸素状態に陥り、意識消失と脱力やけいれんなどを生じますが、通常すぐに呼吸が再開し、後遺症は残しません。
● 診断は?
熱がないときにおきますが、てんかんなどと違って、発作の前に必ず「大泣き」や「びっくりする」などの誘因があり、「無呼吸」の段階があるのが特徴で、睡眠中にはおこりません。
  ・青色失神: 強く泣くことで「息つぎ」ができなくなり、無呼吸となり症状が出現する。ほとんどがこの型で、「かんしゃくの強い子」、「我が強い子」に多い。
  ・白色失神: 突然の「おどろきやびっくり」あるいは「痛み」により、ほとんど泣かずに心拍が止まり(迷走神経反射)、脳血流が減少して症状を呈する。まれな型で「怖がりな子」とか「華奢で繊細な子」に多い。
発作の持続時間は1分以内のことが多く、生後4〜5歳頃には自然に消失し、予後良好で発達にも影響しません。
● 対処や治療法は?
「泣き入りひきつけ」は乳幼児期におきる「反射性けいれん」の一種でお子さまの成長に伴い 自然に消失して行くものです。まず慌てないで冷静に対処することが重要です。日常、「泣かせまい」と過度に神経質になり過保護にならぬよう注意しましょう。不安な場合は、かかりつけの小児科・小児神経専門医でよく相談し、しっかり説明を受けましょう。
回数が多い場合とか発作の程度が強い場合は専門医とよく相談のうえで、鎮静剤やある種の漢方薬などを短期間内服させるのも一つの方法です。鉄剤で貧血を改善するとよくなる場合もあります。また泣き入りひきつけを起こしやすい子でも早目に抱き上げたり、あやしたりして気を紛らわすとならずに済む場合もあります。

(広島市民病院小児科 伊予田邦昭 )


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