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Q19: 高次脳機能障害とはどういうものですか?どのような原因で起こりますか?子どもでも検査できるのでしょうか?どのように対応していくのが良いでしょうか?

A: 人間の脳には、呼吸や循環など「生きていくために欠かせない機能」にはじまり、知的能力 運動能力、視覚、聴覚などの「基本的な機能」、さらに知識に基づいて行動を計画し、実行する「高度な機能」があります。このなかの「高度な機能」を高次脳機能と呼びます。高次脳機能障害とは、これらの高次脳機能に障害があるため、日常生活や社会生活に問題が生じるもののことです。高次脳機能障害は眼に見えにくく、わかりにくい障害です。

(1)高次脳機能障害の原因
 高次脳機能障害の原因は、生まれつきのものと、後天性の脳損傷によるものの2つにわけられます。生まれつきのものとしては、注意欠陥多動性障害、学習障害、高機能自閉症、脳性麻痺などがあります。後天性のものとしては、子どもでは急性脳炎・脳症が最も多く、低酸素性脳症、脳外傷、脳血管障害、脳腫瘍などが続きます。
 現在のところ、「高次脳機能障害」という用語は、一般には後天性のものに対して使われることが多いです。

(2)高次脳機能障害の症状
 高次脳機能障害は大きく「認知障害(理解したり考えたりする能力の障害)」と「社会的行動障害」にわけられます。認知障害としては、覚えられない、忘れてしまう、注意が散漫で集中できない、物事を順序だてて行えない、ことばが出にくい、字が書けない、道具の使い方がわからないなどがあります。行動障害としては、すぐにキレる、こだわりが強い、暴力をふるう、やる気が出ない、場が読めないなどがあります。
 高次脳機能障害は、生まれつきの場合と後天性の場合がありますが、後天性の場合の方が症状が多彩で複雑で一人ひとり異なっており、時間とともに変化していくことが多い特徴があります。

(3)高次脳機能障害の検査
 高次脳機能障害の検査の主体は心理検査です。子どもで行える心理検査は限られていますが、専門の病院では、子どもの症状に合わせてある程度の検査を行っていきます。しかし高次脳機能障害の診断で最も大切なのは、日常生活や学校生活のなかで、子どもにどういう問題が生じているのか、充分に観察して見つけ出すことなのです。

(4)高次脳機能障害への対応法
 高次脳機能障害は一人ひとりその症状がちがいます。問題となる症状をきちんと見極めることが対応の第一歩です。病院で治療するものはごくわずかで、ほとんどは家庭と学校で生活するなかで工夫を積み重ねながら対応を進めていきます。子どもをとりまく多くの人が共通の理解をもって進めていくことによって、子どもの症状に少しずつ改善が見られていくはずです。

(神奈川県総合リハビリテーションセンター小児科 栗原まな)


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