抗てんかん薬の後発医薬品への切り替えに関する日本小児神経学会の活動の報告
日本小児神経学会理事長、日本てんかん学会理事長および薬事委員会委員長名で、2008年4月1日付けで、報告文書を厚生労働大臣と厚生労働省医薬食品局審査管理課長へ提出し、さらに4月21日付で厚生労働省の医政局経済課、医薬食品局安全対策課、社会・援護局障害保健福祉部障害保健福祉課、保険局総務課、保険局医療課のそれぞれの課長宛に送付いたしました。また、要望文書を2008年4月1日付けで、日本医師会、日本精神神経学会、日本内科学会、日本薬剤師会宛に送付しましたので、ご報告いたします。それぞれの文書に2008年3月24日付でHPに掲載した「抗てんかん薬の後発医薬品への切り替えに関する提言」のPDFファイルと同様の文書をつけて送付いたしました。
平成20年4月から処方箋に医師が署名・捺印をしなければ、薬局で後発医薬品が処方される可能性があります。薬の中には後発医薬品への安易な切り替えが重大な影響を及ぼしうるものがあり、特に抗てんかん薬が問題になります。日本小児神経学会理事会と、薬事委員会は抗てんかん薬の後発医薬品への切り替えに関し提言を行います。提言の要約は以下の通りですが、長文ですので、実際の提言内容の全文はPDFファイルをご覧ください。
提言:てんかん患者の抗てんかん薬治療においては、先発医薬品と後発医薬品、あるいは後発医薬品同士の切り替えに際して、医師および患者の同意が不可欠であるとともに、充分な情報提供が求められる。
2008.3.25
日本小児神経学会
理事長 三池輝久
薬事委員会
委員長 大塚頌子
その根拠として、従来の情報や文献から、てんかん患者の抗てんかん薬治療に際しては以下のことが考えられる。
- 先発医薬品と後発医薬品の治療的同等性を検証した質の高いエビデンスはない。
- しかし、一部の患者で、先発医薬品と後発医薬品の切り替えに際し、発作の悪化、副作用の出現が報告されている。
- したがって、発作が抑制されている患者で、服用中の医薬品を切り替えるのは推奨されない。発作の再発は、大きな社会的・身体的・心理的影響を残し、医療経済的にも負担を増す。
- 治療の開始時、あるいは発作の抑制されていない患者では、供給の安定性、安全性を確認したうえで、患者の同意のもとに医師が後発医薬品を使用するのは差し支えない。
- 先発医薬品と後発医薬品、あるいは後発医薬品同士の切り替えに際しては、リスクの認識、不安の解除、治療へのadherenceを保つために、患者/介護者への充分な情報提供が求められる。
- 先発医薬品と後発医薬品、あるいは後発医薬品同士の切り替えに際しては、医師および患者の同意が不可欠である。
- 後発医薬品の有害事象報告および情報提供システムの構築が望まれる。
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