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「mTOR阻害剤エベロリムスのTherapeutic Drug Monitoringの結節性硬化症患者への保険償還拡大に関する要望」についての経過報告

2012年11月22日

日本小児神経学会
理事長 大野 耕策

 日本小児神経学会は「mTOR阻害剤エベロリムスのTherapeutic Drug Monitoringの結節性硬化症患者への保険償還拡大に関する要望」を2012年7月25日に厚生労働省に提出しておりましたところ、このたび「mTOR阻害剤のエベロリムス(商品名:アフィニトール(R)錠)」について、
「結節性硬化症に伴う腎血管平滑筋脂肪腫、結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星状細胞腫」の効能・効果の追加が承認され、市販されることになりました。詳細は下記のPDFファイルをご参照下さい。
 この薬剤の使用には、「結節性硬化症の診断、治療に精通した医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いられるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること」との条件がついており、また、適応は「腎血管平滑筋脂肪腫と脳室上衣下巨細胞性星状細胞腫」への効能のみが承認になっており、適正な使用をお願いいたします。
 また、この薬剤の添付文書の「警告」について、患者および家族への説明と同意を徹底するようにお願いいたします。


2012年7月25日

厚生労働大臣          小宮山洋子 殿

厚生労働省医薬食品局審査管理課 赤川 治郎 課長 殿

厚生労働省保険局医療課     鈴木 康裕 課長 殿

厚生労働省医政局経済課     鎌田 光明 課長 殿

                                  日本小児神経学会
理事長 大野 耕策

mTOR阻害剤エベロリムスのTherapeutic Drug Monitoringの結節性硬化症患者への保険償還拡大に関する要望書

 厚生労働省におかれましては、常々薬事行政に関し、一方ならぬご尽力をいただき、誠にありがとうございます。このたびは結節性硬化症治療として薬事申請中のmTOR阻害剤エベロリムスにつき、血中濃度測定によるTherapeutic Drug Monitoring(TDM)に対して「特定薬剤治療管理料」が保険償還可能となることを要望いたします。
 日本小児神経学会は、2012年4月10日に「結節性硬化症の治療薬としてのエベロリムスの早期承認について」要望書を厚生労働大臣に提出しておりました。結節性硬化症は乳幼児期からてんかんを発症することが多く、小児患者において有効かつ安全に治療を行うためには血中濃度測定によるTDMが必要不可欠であると思われます。また、本薬剤は既に米国、欧州において結節性硬化症に伴う切除不能な脳上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)の治療薬として承認を受けておりますが、その添付文書中の用法・用量において、血中濃度測定による投与量の管理が必須とされており、本邦における承認の際にも小児患者への投与にあたってもTDMによる管理が必須となると考えます。
 エベロリムスのTDMについては、本邦では本年4月に臓器移植を受けた患者における免疫抑制剤としての投与に関して、「特定薬剤治療管理料」の算定が可能となりましたが、その他の疾患への投薬に関してはTDMの保険償還は認められておりません。したがいまして、今後エベロリムスが結節性硬化症の治療薬として効能追加承認されると同時に、小児患者におけるTDMが可能となるよう、結節性硬化症患者に対する特定薬剤治療管理料の適応拡大が速やかに行われることが望まれます。
 日本小児神経学会といたしましては、結節性硬化症の治療薬としてのエベロリムスの早期承認をお願いいたしますとともに、小児患者に対する適切な用量調節ができるよう、結節性硬化症の承認と同時に本薬のTDMが確実に実施可能になりますように、保険償還の対象疾患の早期拡大についてご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


2012年4月10日

厚生労働大臣               小宮山洋子 殿

厚生労働省医薬食品局         木倉敬之 局長 殿

厚生労働省医薬食品局審査管理課  赤川治郎 課長 殿

日本小児神経学会
理事長 大澤真木子

日本てんかん学会
理事長  兼子  直

要望書

結節性硬化症の治療薬としてのエベロリムスの早期承認について

 厚生労働省におかれましては、常々薬事行政に関し、一方ならぬご尽力をいただき、誠にありがとうございます。このたびは結節性硬化症に対するエベロリムスの早期承認について、お願い申し上げます。
 結節性硬化症は難治性疾患克服研究事業で取り上げられている神経皮膚症候群の一つであり、知的障害、てんかんの合併頻度が高く、皮膚・大脳・腎臓・心臓などの諸臓器に過誤腫が発生しやすいことを特徴とします。結節性硬化症に合併するてんかんは乳児期に発症することが多く、なかでもWest症候群(点頭てんかん)の原因疾患としてよく知られています。結節性硬化症によるWest症候群はきわめて難治な経過をたどることが多く、その場合には発作が抑制されず重度の知的障害を呈します。過誤腫の中で上衣下巨細胞星細胞腫(SEGA)は、モンロー孔の閉塞による水頭症を合併し、時に死亡の原因となることがあります。心臓の横紋筋腫は新生児期の心不全・不整脈の原因となり、腎臓の血管筋脂肪腫(AML)は若年成人後に後腹膜の出血や腎機能障害を引き起こし、経カテーテル動脈塞栓術による治療が行われますが、腎摘出、透析に至る場合も少なくありません。
 近年、原因遺伝子が特定され、腫瘍抑制遺伝子であるTSC1またはTSC2の機能喪失変異が病因であることが明らかになっています。抗悪性腫瘍剤として本邦でも承認されておりますエベロリムスは、本症の病因であるTSC1およびTSC2の下流のmTORシグナルを直接的に阻害することにより、本症に伴うSEGAおよびAML病変を縮小させる効果を示すことが確認され、その他の全身的な諸症状にも有効性が示唆されています。現在、欧米を含む40か国において、結節性硬化症のSEGAに対する治療薬としても承認されております。また、成人のAMLを有する結節性硬化症患者を対象とした第3相臨床試験においても、有意なAML病変の縮小が報告されております。我が国においては、このたび2012年2月末に、結節性硬化症治療薬としての効能追加、並びに小児用製剤の承認申請が開発企業から行われたとの情報を得ました。
 結節性硬化症では、自閉傾向を伴う知的障害、West症候群を始めとする難治てんかん、SEGAの発生、AMLによる出血や透析などによって、日常生活への著しい支障がもたらされるだけでなく、療育、介護および経済的支援を永続的に必要とする場合も少なくありません。
 したがって、我が国の結節性硬化症の患者・家族と、患者の診療にたずさわる医療現場はエベロリムスの早期承認を強く希望しております。
 以上の事情をご賢察の上、何卒一日も早くこの薬を承認いただきますように、心からお願い申し上げます。


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