日本小児神経学会
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平成19年10月17日

厚生労働省医薬食品局審査管理課
中垣 俊郎 課長 殿

日本小児神経学会  
理事長 三池 輝久
日本小児心身医学会 
理事長 冨田 和巳
日本小児精神神経学会
理事長 星加 明徳

小児における注意欠陥/多動性障害の治療に対する見解と
コンサータ承認についての要望書

  1. 医療上の必要性について
     注意欠陥/多動性障害(Attention Deficit/Hyperactivity Disorder; AD/HD)は多動、不注意、衝動性を特徴とする発達障害で、その症状は小児期に顕在化し、その有病率は3〜9%と報告されています。また小児期にAD/HDと診断された患者さんの多くが青年期以降も引き続き症状が存在したという報告もあり、本病態は小児期にとどまらず成人まで影響が懸念されており、特に小児期から適切な治療を行なうことの重要性が公知とされています。
     AD/HDの治療は薬物療法に加えて本人、家族への心理的サポート、学校など生活環境調整へのアドバイス、行動療法的アプローチが重要な役割を果たしています。早期に病態の特徴が確認され、小児期から適切な治療が行なわれると、その予後は良好であることも報告されており、その治療法の確立は極めて重要と考えられています。欧米の治療ガイドラインでは小児のAD/HDに対するメチルフェニデート(methylphenidate:MPH)は第一選択薬となっており、AD/HD治療における有効性については厖大 なエビデンスがあります。一方、本邦ではMPHは成人のナルコレプシー、他剤に効果のない難治性・遷延性のうつ病にのみ適応となっている矛盾が存在しています。成人におけるMPH依存や乱用の危険性が強調されるがために、本当にMPHを必要としている小児のAD/HD患児に適切な治療が行なわれない可能性が高いことが確認されています。
  2. 適正使用のためのガイドライン作成
     AD/HDに対して適切な診断と治療が行なわれるためには、一般小児科診療の現場で使用しやすい診断治療ガイドライン作成は日本小児科学会としても急務と考え、分科会で小児精神神経疾患に関わる日本小児神経学会、日本小児心身医学会、日本小児精神神経学会の3医学会が、厚生労働科学研究補助金(宮島班)により平成19年9月28日に「小児科医のための注意欠陥/多動性障害の診断治療ガイドライン(中央法規出版)」を発刊いたしております。このガイドラインおよび精神神経委託研究費(上林班、齊藤班)により平成15年に出版され、18年度に発展的に組織された「AD/HDの診断・治療指針に関する研究会」により「注意欠陥/多動性障害診断治療ガイドライン改訂版(2006年;じほう)」の両ガイドラインには、MPHの用法・用量が詳細に明記されており、過剰投与や乱用などを含めた使用上の注意点についても記載されています。
  3. 適応になることにより予測される効果
     AD/HDは、早期に病態の特徴が確認され、小児期から適切な治療が行なわれると、その予後は良好で、成長しても薬物依存の傾向は有意に少なく、近年の研究ではむしろ薬物使用や中毒の危険性に対して予防効果があると報告されており、適応とならないまま不適切な治療が行なわれることと比較して社会的利益は大きいといわれています。さらにAD/HDに対する第一選択薬とされるMPHが、今まで本邦では承認されていなかった矛盾に対し、現在当局がメチルフェニデート徐放剤を承認に向けご検討されていることは極めて重要と考えられます。特に徐放剤には一日1回朝服用でよいこと、薬効が急激に消失しないためリバウンド現象が少ないなど、子どもたちが学校生活を営む上で極めて有益と考えられます。「AD/HDに有効であることが公知であるMPHは、悩める子どもたちやそのご家族を救うために保険適応とすることを最優先すべきであり、一方、乱用や違法行為を犯した場合は厳しく取り締まる」ことは学会としても重要と考えます。
  4. メチルフェニデート徐放剤の承認に向けて
     AD/HDの治療に当たる専門家集団としての3医学会は、現在検討されているメチルフェニデート徐放剤が承認されます事は非常に有難く、可及的速やかに御承認いただくようお願いいたします。
  5. 3医学会は、MPHの乱用、不適切な処方など社会的に重要な問題について、その対策として適正な制約を課す当局の方針を支持いたします。そのためにはMPH処方を含め、AD/HDの適切な医療を行なえる専門医(メチルフェニデート認定医)および認定医療機関の育成・構築のためのシステム(第3者機関)を構築するように努力いたします。

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